先日、140馬力の主機で意味不明の警報ブザーが鳴ったことから、補機を始動しようと試みましたが、なにをどうやっても動きません。ロープを引き続けて汗が出ました。これではいざという時、役に立ちません。古いトーハツ製の船外機です。外観もボロボロです。あきらめました。
マリーナ工場前にホンダ製の中古船外機があります。
「これいくら?」
「これは我が社で使用しているもので売り物じゃありません」
マリーナ社長は言います。他のお客さんのものならこれ以上言えませんが、マリーナのものなら強引になります。
警報ブザーが鳴るエンジンでは沖に行けない、命の危険がある、新品を買う金はない、などと言いたい放題です。
根負けした社長は換装してくれることになったのです。
4サイクル9.9馬力、セル仕様です。これはいいです。静かです。恐ろしく静かです。小型ヨットで評判がいいと聞きましたが、ホントにそうです。ヨットレース時にこっそり使ってもバレません・・・そんなヨットマンはいませんね。
沖に出して試運転です。ティラー仕様なので船尾に座ってスロットルを開けると、思った以上のパワーです。ぐいと船首を持ち上げてパワフルに走ってくれます。2機掛けにしたらプレーニングするんじゃないかと思うほどです。
でも問題があります。最船尾で操船するので、前方がまったく見えません。ゆっくり走るのならそれでもいいのでしょうが、思った以上の速度が出ます。これは危険です。
操舵席にリモコンを付ければ問題解決です。さっそく調べます。どうやらパーツはあるようです。同一型式でリモコン仕様があるのです。パーツの注文を依頼しました。またお小遣いが吹っ飛びます。まったくボートは金食い虫です。
こんなに補機にこだわるのは、沖に出れば誰も助けてくれないからです。自分でなんとかする必要があります。メインエンジンが故障することはよくあります。ヨットの場合、主機はセールです。風はいつかは吹いてきますが、壊れたエンジンはよほど技術がなければ直りません。
船や飛行機は必ずバックアップの態勢を持っています。エンジンは複数あるし、パイロットだって二人です。燃料は多めに入れるし、電子機器も1台に頼ることはありません。
こんな習性があるので、日常でもフラれた場合に備えて複数の女性とお付き合いする海の男が多いのです。いまでは山の男ですから、私はそんな不埒なことはないのであります。
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