いつも満席なのですが、昨夜はうまく紛れ込むことができたのです。
カウンターだけのお店です。右端にひとり白髪の品ある男性がお座りです。地元が本社の巨大お菓子メーカーの会長サマです。全国に営業所のある有名メーカーなのです。「八幡浜 菓子メーカー」で検索すればトップでヒットするはずです。八幡浜を、「愛媛」、「四国」に変えてもトップなのは凄いです。
我々は左端です。中央には予約客分の箸が置いてあります。
ここでは注文をしません。黙って座っているだけです。オヤジが勝手に出してくるものを黙って食べるだけです。うっかり注文などしようものなら、「寿司には順番がある」とにらむのです。
アジは小型のものを大きく切ります。こうすると甘みを感じて美味いのです。
*写真はすべてイメージです。現物ではありません。この店で写真など撮ろうものならすぐに叩き出されてしまいます。
こうしたお店の料理は、「著作権」みたいな感じで守られるべきものと私も思っています。「フードポルノ」という言葉ができる時代ですものねえ。
会長サマは悠然とタバコを吸いながら黙々と食べていらしゃいます。我々も、「フム、大島のウニはいまが旬だがね」などと知ったかぶりして食っています。ちなみにこの店のウニは海苔で巻いたりしません。小さなシャリの上にウニを置くだけです。醤油など付けたら怒鳴られます。ウニの味を噛みしめるのです。
素潜りでウニを採る大島の漁師さんの努力を噛みしめるのです。
時計を見ていたオヤジがいきなり会長に向かって、
「隣のお客さんが嫌がったらいかんのでいまから禁煙!」
と言い放つのです。なんてことを言うのでしょう。
「俺達なら別にかまわんよ」
「あんたが窒息して死のうが構わんけど、いまから来るお客さんは健康に気を使う方なんでね」
会長サマ、かわいそうにタバコを消します。
定刻に予約客がやってきました。この店で予約時間に遅れる客はいません。(たまに会長が遅れる)すぐにキャンセル扱いで次の客に回されるせいです。(会長だけはキャンセルなし)
やってきたのは看護婦サマご一同です。
オヤジの喜ぶこと。とたんにニコニコと機嫌がよくなって、
「なに握りましょう?」
などと訊くのです。
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