2017年5月20日土曜日

クレーム

「アンテナを買ったが、先端が溶けているぞ。こんなの無線機につないだら壊れる」

クレームがあった。先端が溶けたアンテナなんてなに? 急いで返送してもらった。


届いたが別になんでもない。どこが溶けている?

もしかして・・・

電話をして確認をしてみた。やっぱり、なーんとコネクタ先端のことだった。ハンダを溶かし込んでいる部分。(マジか・・)

M型コネクタは先端をこうしてハンダで溶かして固定するのですよ。芯線は細いのでこうしないと固定できません、と優しく教えてあげた。私は日々、こんなクレームに耐えて仕事をしている。忍耐力はあるのだ。

手仕事が理解できない。垂直・水平な作業じゃないと不良と感じる世代なんだろうなあと思うと実に寂しく情けない、


このM型コネクタ、正確にはUFHコネクタと呼ぶらしい。ネジピッチがミリ規格のものだけがM型コネクタで、海外規格ピッチはUHFコネクタだそうだ。国産無線機はミリ規格で作られているが、我が社が売ってるような輸入物アンテナはもちろんUHFコネクタ。でもだいたい互換性があるように作られている。機械屋さんなど、ネジ規格に詳しい(厳しい)方は分かるらしい。

車載アンテナが振動でよく緩むのはこのせいと思われる。

アンテナはかなりいい加減な規格で作られている。FURUNO製ドッグナビはSMA規格のアンテナだが、指定外のアンテナを使うとコネクタ芯線側ピンが長すぎて本体が壊れるそうだから注意が必要だ。


今日はコネクタと書いたが、普段はコネクターと書いている。業界用語ではコネクタなのだ。コンピューターをあの業界ではコンピュータと書くのと一緒。



S選手がこのところ工場にいない。食事時に前を通るのでよく分かる。このところ連日、石垣造りに精を出して「疲れた、疲れた」と言ってたので体調でも崩したのではないだろうか。それとも技術を認められて熊本城復旧に迎えられたのだろうか。

電話をしてみた。

心配して損した。

カヨちゃん(奥方)とふたりで沖縄旅行中だった。






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