でもこの方法はコツと経験が必要です。
相手が材木なので手動でもいいのでしょうが、きれいな面を出そうと思ったり、精密な寸法で作業しようと思うと、やっぱりバイト送り機能が欲しいですよねえ。
まして私みたいに木材以外の材質を削る場合は手動では無理です。塩ビを加工するのですが、粘りがあって加工がたいへん難しいのです。
クロステーブルを仕入れて、旋盤へ取付加工をしてみました。クローステーブルは、X軸とY軸がハンドルで精密に動かせるのです。これにバイト(刃物)を固定すると送り装置になるはずです。
そのままでは取り付けできません。固定治具が必要です。ジグソーと旋盤で木製サンプルを作りました。サイズ合わせです。お隣町・八幡浜の鉄工所に行って加工を依頼しました。サンプルを持参したら、かなり高齢のじいちゃんは一発で理解してくれました。
Vベルト可動の大型旋盤があります。古い機種です。戦前のものだそうです。
「もう歳なんで、この工場にある材料でしか加工できんぞ」
「1インチの丸棒が20cmもあればいいんだから材料は絶対ありますよ」
私は強気です。この鉄工所のメインユーザーは漁船オーナーです。小型漁船のプロペラシャフトは1インチなのです。
工場の隅っこで発見です。
「これ切って作ってよ」
じいさんは嫌々ながら旋盤に向かいます。シャフトをセットしてからの作業は鮮やかです。一瞬で加工を終了させます。見事です。鉄板もカットして丸棒が入る穴を開けます。プレスで押して固定する作戦ですが失敗です。この方法は精度が必要です。じいさん、ノギスの数字が見えないんだもん、無理だがね。バリバリと溶接して、そこを旋盤で平らにして完成です。
「お前さんは旋盤で木を挽くのか。ありゃあ、木クズばっかり出てオレはあんな加工は嫌だ」
じいさん、言いたい放題です。
工場に遊びに来たお隣のにいちゃん曰く、
「ベルト式のオンボロ旋盤で、このじいさん完璧な鉄球を作るんだよ。信じられない」
「パチンコ玉、作ってもらおうよ」
いい腕のじいさんです。
完成した固定金具を持ち帰って組み立ててみました。専用バイトがないので手持用バイトをクランプで固定して削ってみました。
ウフフ・・・完璧です。さっきじいさんが大型旋盤で削っていたみたいに正確に確実に削ることができます。やったぁ!
それにしても、なんで木工旋盤メーカーは送り装置を売らないのか魔化不思議です。こんなに便利で有効なのにねえ。じいさんと組んで量産しようかなあ。
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