日本はおろか、世界で一番のカスタムナイフメーカー・多松選手のナイフも数本持たせていただいていますが、高価な貴重品ということ以前に、切れ過ぎて持ち歩くことが怖いのです。シース(鞘)ごと切れそうです。
でもいまの時期の山では鉈が必要です。からみつく草木を刈り払わねばなりません。
ずいぶん以前から使っている「黒鳥」ブランドの鉈があります。鞘は桜皮巻きです。これは高価な造りなのです。巨大な桜の皮を切り取って組み込みます。強度があるので丈夫です。刃の部分は荒っぽく使ったのでずいぶん欠けています。
Qちゃんがイノシシを捕まえてくれたので、その予算で刃の部分だけを交換しようと、今日の午後、高知県・黒鳥鍛造工場に出かけてきました。我が家からは2時間足らずです。
工場に着いて、「あのぅ・・・」と現物を出したとたん、「ああ、研ぎ直しか」と言ってオヤジさんは目釘を外してガンガン作業に入ります。刃物部分だけ買い直すなんて意見は無視です。
オヤジさんが作業をしている間、奥さんとお話しをしていました。
「いい桜皮が少なくなってね、いまでは鞘のほうが中身の刃物より高いときがあるのよ」
と教えてくれました。
この工場の製品はすべてオヤジさんひとりが打ちだして作るのだそうです。
「だから時間ばかりかかって、儲けにならないのよ。息子も跡を継がないって」
オヤジさんの作った鍬は刃先の部分の半分が鋼で残りが一般の鉄です。おまけに、表側の土に当たる部分には鉄が貼りつけてあってやたら作るのに手間がかかるそうです。
30分もしないうちに新品同様になってしまいました。10年以上使った鉈です。費用は1,500円でした。安すぎです。初期とはずいぶん形状が変わりましたが、切れ味は同じです。いま、同じサイズで桜皮巻鞘付きは5万円以上するようです。
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1 件のコメント:
私も黒鳥のナイフでエゾ鹿をさばいています。数々のナイフを使用しましたが、黒鳥が一番です。貴殿のような大型を次は買う予定です。
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