実用新案や特許を出願する製品は、広く世に知られていては出願する意味がないのだそうです。言われてみればその通りです。
類似発明がないか調べて、書類を作成して(この書類が書式があってややこしい)、図面を書いて(我が社製品はCADの製作図面があるので、この点は簡単)やっと完了でした。
いちばん大変なのは、弁理士さんにこの製品の使い方を知ってもらうことでした。
当たり前です。弁理士さんは、イノシシ捕獲になんの興味もないわけですから、まずイノシシをなぜ獲る必要があるのか説明が必要です。
いい勉強をしました。愛媛県でいちばん若い弁理士さんに依頼をしたのです。いい仕事をしていただきました。(菅直人に頼まなくてよかった)
同じような経験があります。
事件を弁護士さんに依頼をした時です。
私はたいへんな被害を被っているので損害賠償を請求したいのですが、弁護士さんはなんにも知りません。まず私の仕事内容をお話しして、なぜ被害にあったのかを知ってもらう必要があります。相手側に不法行為があったことの立証も必要です。
「みんなに分かるように順を追って、論理的に説明をして下さい。箇条書きで順に書くのがいいかもしれませんね。これはゲームですから勝つためには戦略が必要ですよ」
我が社担当の弁護士さんから言われたことは身にしみています。
「最終的な判断は裁判官がします。私と同じく、あなたの被害について、なんの知識も持ちあわせていません。この裁判官を説得するのが裁判なのですよ」
「文章は主語・述語を明確に書いて下さい。日時・時刻は正確に!」
日本語では主語・述語をあいまいに書くのがいいと言われます。この指導のおかげでずいぶん文章が下手くそになりました。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
誰が抜けたのか、どうやって抜けたのが書いてありません。でも名文です。
「私が3月14日に乗ったJR下り便で、午後3時20分に新潟県境の上越線、清水トンネルを抜けたら一面が5cmの降雪で、まるで北欧の雪国みたいであった」
と書いたのでは文学作品になりません。
特許にしろ裁判にしろ、相手側にしっかり分かるように説明できたら勝ちです。幸いなことに裁判でも勝ちましたし、今回の実用新案も取得できました。
世の中のことすべてがそうかもしれません。知ってほしいことを相手に伝えることはたいそう困難なことです。
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