S選手は次男の縁談です。自宅待機を奥方のカヨちゃんに命じられて泣きべそです。でも猟より縁談が大切だよ。
森林管理局から鍵を借りた林道に一直線です。付近の地形図も人数分コピーしています。準備は万端です。
ゲートの鎖を外して林道に入った途端、「保護区」の見覚えのある看板です。「あれ?」
狩猟地図を取り出して確認です。
なんということでしょう。ここの国有林すべてが鳥獣保護区じゃないですか。なんてこったい。
やっぱりお殿様の猟場は一般庶民には開放しないということなのですね。残念でした・・・
やむなく別の場所に移動です。サトちゃん選手が待ちについて、私とTさんがが尾根から犬を入れます。でも犬を入れる林道には、いましがた歩いたばかりのシカの足跡です。たぶん、我々のトラックの音で移動したはずです。
「もうすぐ追いついてしまうよ」
と言い終わらないうちにシカ発見です。追いついてしまいました。猛スピードでサトちゃん選手の待っている場所に追い落とします。あまりの速さに撃てませんでした。
昼飯を食って別の山です。
私が尾根から、Tさんが麓から犬を入れます。サトちゃん選手が中央です。
Tさんが2発発砲しました。
Tさんからの無線連絡は私には聞こえません。サトちゃん選手には、
「シカ獲った」
と聞こえたそうです。
よかった、よかったとサトちゃん選手と私は脱砲して林道に向かいます。ところがその時にふたりの間をシカが駆け抜けたのです。Tさんは、
「シカが行った」
と無線連絡したのだそうです。なーんてこったい。
最終ラウンドは乾坤一擲、川渡りの谷です。
川沿いでサトちゃん選手が待ちます。私とTさんが両側の急峻な谷に犬を入れます。疲れるコースです。
MOMOちゃんが吠えました。
私の位置から50mほど下をメスシカが走ります。植林の中です。木と木の間に狙いをつけてシカが通過する瞬間に撃ちました。外れです。トホホ・・・
この撃ち方だとよほど前を撃たないと当たりません。リード射法と呼ばれる撃ち方です。Tさんの場合も同じ状況だったそうです。やはりシカは銃身で追いながら撃つスイング射法が必要だと反省したことでした。
このシカ、川を渡らず尾根を越してしまったのです。今日はよほど運がないねえとうつ向いて帰宅したのでした。
S選手に「やっぱりオレがいないと、」と言われること必定です。
でもまあ銃声が聞こえたのでよしとしましょう。
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