2013年6月25日火曜日

海保で取調べを受けた時のこと

十数年、海保で取調べを受けたことがあります。

海難事故ではなくて、「電波法違反容疑」です。私は無線機屋ですが、同業者が意図的に業務妨害を企んで宇和島海上保安部に我が社に違反があると申告をしたのです。(もちろん海保以外にも通信局を始め、いろいろな公的機関に言い上げをしたのです)


この同業者による業務妨害事件は結構な大事件となって、「判例タイムズ」や「判例時報」に載っています。お暇な方は検索してみて下さい。

この時、相手は3名いました。最終的に3名とも窃盗犯で有罪となりました。それをもとに損害賠償請求をして私は大勝したのです。泥棒相手ですから勝ちは決まっています。問題はいくらふんだくるかです。もちろん先に差し押さえはやってます。殴り放題のサンドバッグ裁判です。我が社の弁護士センセは凄腕なのです。

この勝ちであのヨット、ジャヌー31feet Sunfastを買ったのでありますよ。



彼らが盗んだのは、「コピー用紙」です。我が社の顧客情報をコピー機を使って盗んだのです。社員のひとりに好条件を提示、スカウトして協力させたのです。

その頃は情報を盗むという容疑で捕まえることは困難だったのです。判例誌に載ったのはその点を裁判所がはっきり犯罪被害と認めてくれたせいです。はじめは地元署刑事さんが、「こうなりゃ、コピー用紙1枚でも犯罪だ」と言って頑張ってくれたのです。



盗んだ顧客情報から業務用簡易無線局を取り付けた水産加工業社をピックアップして、「船に陸上用無線機を取り付けている」、「海保の取締り情報を無線機を使って連絡している」と申告したのです。

申告があれば海保は私を取り調べなくてはいけません。それで私は海保に呼び出されたのです。

「陸上用の無線機を船で使ったらいかんだろうが。ここに設置場所として陸上の住所が記載してあるじゃないか」

録音機を置いて、海上保安官が我が社が作成した免許書類(盗まれた書類ということがすぐ分かりました)をもとに言います。それは基地用として使っている分です。移動用はちゃんと、「常置場所」と書いています。移動範囲は、「○○町及びその周辺」と書いてますがな。

彼らは完全に、「陸上移動局」とカン違いをして取り調べをしているのです。簡易無線局と陸上移動局は出力も免許書式も同じなのですが、無線局としてはまったくの別物なのです。「設置場所」と「常置場所」の区分も彼らには理解できていません。


これで私は無実を確信して、調書にサインもせず、「好きにして」と言って帰ったのです。取り締まり情報を顧客が通信していることなど私の知ったことではありません。

ましてや同業者が盗んだ書類をもとに取り調べをするとはなんということでしょう。その点を指摘すると、「端緒として使用することはかまわない」と言うのです。端緒という単語を私はこの時に覚えたのです。

さらに、「その書類は窃盗事件の証拠になるから私に返還して、申告者の氏名を公にしてくれ」と依頼しても拒否するのです。泥棒の味方をしやがったのです。


起訴してもらって裁判所でこの保安官どもに恥をかかせてやろうと真剣に思ったのです。弁護士センセも、「法廷でズタズタにしてやるぅ」と手ぐすね引いて待っていたのです。この弁護士センセ、本当に厳しい尋問者なのです。



残念なことに、送検されることもなく、かといってお詫びもなくこの件は終わったのであります。


私は海保の取引業者だったのです。大スキャンダルも準備して待っていたのですが、本当に残念です。






この空白に一部内容を書いていたのですが、まあ今回は堪忍してやることにします。





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