クレーンで水を切る瞬間はいつもドキドキするね。
この位置から見るヨットの姿がいいと思う。
女性でいえば下半身をさらけ出した状態。見せてはいけない秘密のキール部分。
実際に最先端のレース艇は船底デザインを極秘とする場合が多い。
マリーナがこの海域に合わせて選択した船底塗料がよく効いていた。船体部分にほとんど貝類の付着はなかった。
ペラ部分がひどいことになっていた。スピード低下の原因はこれだった。
「ペラクリンが効いてないね」
「いや違う。走らなさ過ぎだ」
マリーナ・オーナが軽くペラの貝類にドライバーを当てるとパラパラと落ちて、下から綺麗にペラクリンで保護された金属部分が出てきた。
漁船のようにほぼ毎日、出航していたらペラクリンの効果で貝類が付着することはないそうだ。
ペラには大量の釣り糸が絡まっていた。こんなに巻いたかなあ。ナイフで切り取るほかなかった。フェザリングペラなので、あやうく動作しなくなるところだった。
「リールと間違えていませんか。ここはプロペラシャフトですよ」
マリーナ・スタッフの厳しい声が聞こえた。なんとでも言え。たしかに釣り糸をペラに絡めるなんて素人のやることだが、私は釣りの素人だからしかたがない。釣りのプロだったらヨットで釣りなどするものか。
作業ヤードに移動した。船底塗装と定期メンテナンスはすべてマリーナにおまかせ。
オーナー自ら作業しろ、との声が多いが、上向き溶接と、上向き***と、上向き塗装はプロの分野だ。過去に何度か自分でやったことがあるが、塗料の半分は地面を塗った。
作業服も帽子も靴も廃棄することなる。地球には重力があるのだ。
それらを考えるとプロに依頼をするほうがはるかに効率的だ。
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